カリグラフィー作品展

2006年2月9日(木)〜3月5日(日)




カリグラフィーとは

 カリグラフィーの語源はギリシャ語の CALLI(美しい)とGRAPHEIN(書く事)に由来しています。ペンや筆などを使って書かれる美しいアルファベットの事で、日本では西洋の書道と訳されています。
  2000年以上も前に生み出されたアルファベットは、現代まで様々な時代を経て変化し、それぞれの地域の社会や文化の中で受け継がれ発達して来ました。人の手によってのみ受け継がれて来た文字は、写本と言う形で残されてきましたが、15世紀にグーテンベルクによる印刷技術が発明されると、手書きの必要性が薄れ、この伝統ある写本芸術は次第に廃れていきました。
  こうして一時期 約400年間も忘れ去られていた手書き文字の芸術ですが、19世紀末、イギリスのエドワードジョンストンの手によって再興され、その後現代アートとしてのカリグラフィーへと発展していきました。
  カリグラフィーは、ただアルファベットを書き写すものではなく、文章の内容を自分の解釈を通して見る側に伝え、また同時に文字を使って自らを表現する個性ある手書き文字の芸術なのです。
  いかに美しく個性ある文字を書くか、いかに生き生きとしたラインやストロークを描くか、そしてそれら文字やラインに、いかに深い精神性を見出すか、これらを追求して行くことがレターアートとしてのカリグラフィーの真の魅力なのです。
  今や私達の身のまわりには、活字やワープロ、パソコンなどの機械によって作られた文字であふれています。だからこそ人間の手によって丁寧に書かれたアルファベットは、美しい表現力を持ち、見る者に温かさと力強い個性を与えてくれます。これから将来、手書きの文字は益々見直されていき、カリグラフィーは様々な形で日常生活の中に登場するでしょう。


   
展示風景