バラバラ展

内田 定

2015年2月28日(土)〜3月22日(日)
 
 

 
 





私の最初で最後の個展に寄せて

 一般に確立した画風で個性を主張するのが個展ですが、私の場合は写実抽象・モダンアート・水彩風とバラバラな表現で描法も油彩・点描・水彩風と一定していません。ところが、「そのバラバラなところが面白いから・・」とモンミュゼ沼津の荻生副館長が「バラバラ展」を企画して下さった。その薦めに乗って作品を並べた次第です。
 絵筆をとったのは定年退職後です。就職先が名古屋で、毎日が忙しい仕事だったので時間がかかる油彩には手が出ませんでした。定年退社と同時に故郷の沼津に帰り、画室を設けて念願の作画の取り組んだというわけです。もう30年も前の事、当時の美術協会長の飯塚正義さんに誘われて美術協会に入会し、どうやらセカンドライフの新しいスタートを切ることができました。毎日が日曜日みたいなもので作画の楽しみに浸ることができました。全国展(東京・上野)へは日展系の日洋会へ四年連続で入選し、会から日展出品も薦められたのも遠い思い出です。
 沼津の芸術祭で三年連続の芸術祭賞を受賞しましたが、その後緑内障が進み、視力が落ちて、十年足らずで絵筆を捨てることになりました。現在は重度障害2級で、気がつけば「米寿」。まだ、口は達者ですが、足も弱くなり、絵に似て全てバラバラ調です。
 「バラバラ展」では、私は昭和3年生まれの戦中派なので、生きてるあかしとして「鎮魂・集星」という絵も出品することにしました。
(元中日新聞名古屋本社局次長職)


作品紹介